面会は【人権】子供を含めた原告が国を提訴!【面会交流】
離婚などで別居した親子らの面会交流について、法の不備で不自由を強いられ、憲法が保障する基本的人権を侵害されたとして、10~20代の子供3人を含む男女17人が2020年11月11日、国に1人10万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。
面会交流については「面会交流を義務づける制度が未整備」と提訴した原告に対し、8月に「現行法の規定が合理性を欠くとは言えない」と判決がありました。
面会交流を巡る訴訟は各地で起こされていますが、子供が原告となるのは今回が初めてとなります。
民法では父母が離婚する場合、一方を親権者に定めなければならないと規定しています。
2011年の法改正で、子供との面会交流は子の利益を最も考慮して決めることが盛り込まれました。
ですが、実際には取り決めが守られないケースもあります。
訴状では、両親が別居しても「親と子、祖父母と孫が触れ合いの時間を持つことは基本的人権だ」と指摘し、欧米と異なり、面会交流についての権利義務関係の具体的な規定がないとし「長期間放置している国の立法不作為で違憲だ」と主張しています。
欧米では、離婚後も共同親権制度を採用している国が多くあります。
(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドなど)
共同親権により、離婚後も、子の教育、住む場所、医療などの重要事項については両親に決定権が与えられています。
この場合、実際の日常生活においては、父母の一方が主たる監護者として子供と同居しますが、子供は毎週末など非同居親の家に泊まり、さらに長期休暇中にも非同居親の家に宿泊するなどと取り決める例が多いようです。
そして、面会交流不履行に対しては厳しい制裁があります。
それは、罰金や損害賠償、無償労働、逮捕、収監、監護者変更など日本では考えられないものです。
ただし、経済状況や父母の関係性など場合によってはどうしても面会が履行できない状況もあるかもしれません。
欧米では面会交流に対するさまざまな公的なバックアップ、援助ができる体制もあるようです。
これらを考えると日本でも進むべき方向性は定まっているように思います。
日本での面会交流はまだまだ当事者まかせにしている部分が多いと感じます。
法整備には時間はかかりますが、父母への支援体制を前提としたうえで、面会交流を履行しない場合の罰則整備も間違いではないように思います。
今回の原告が主張している「法の不備」をできるだけ早く解消し、正しい方向に進んでもらいたいものです。