【共同親権】離婚後の単独親権は「合憲」である!【規定に合理性あり】
離婚すると父母の一方しか子供の親権がもてない「単独親権」制度。
この「単独親権」制度が憲法に違反するとして、東京都の男性会社員が国に165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2021年2月17日、請求を棄却しました。
単独親権に対し「合理性が認められ、違憲とは言えない」として合憲との判断を示しました。
裁判長は、単独親権を定めた民法の規定は離婚した父母が通常別居し、関係が必ずしも良好でないことが前提で「子供の監護や教育について適時に適切な判断ができるようにする目的がある」と指摘、「子の利益を損なう事態を避けるため、父母のうち、より適格な方を親権者に指定する規定に合理性はある」としました。
単独親権に関する同様の訴訟は複数あり、判決は初めてとのことです。
訴訟した男性は、単独親権について「幸福追求権や法の下の平等に反する」と主張し、離婚後も父母が共に親権をもつ「共同親権」制度を創設しないのは立法不作為だと訴えましたが、「共同親権を認めるか否かは、国会の合理的な裁量権の行使に委ねるべきだ」と退けられました。
海外主要国の多くが認めている共同親権。
養育費の確保策と並んで共同親権も論点の一つとなっていますが、父母の対立が続く場合、子が混乱して不安定になる、と懸念する声も根強くあります。
父母が対立していない場合は、共同親権のほうが、子供にとって精神的にも経済的にもいいような気がしますが、対立している、対立していないの判断は第三者からはなかなか難しいです。
対立している場合の問題はこうだ、対立していないから共同親権を進めるべきだなど、あっちをたてればこっちがたたずではなかなか法整備は進みません。
諸外国でも運用されている制度なのですから、そこから日本に合ったものを取り入れ、まずは「共同親権」「単独親権」の選択制として早期にスタートするのはどうでしょうか。
最初は「共同親権」を選択できる条件のハードルが高くても構わないと思いますが、世の中に共同親権を選択したい夫婦もいるはずです。
まずは制度を開始して、試行錯誤の中から理想の形をみんなで目指していくことも大事だと思います。